Q.Bytix Archaea tools(HCP tools)を利用しても性能が出ません。
A.性能低下を起こすと想定される要因については、下記のような影響が考えられます。
- ライセンスが適用されていない
- ファイルサイズがかなり小さい (数バイト~数KBが多数)
- 暗号処理でハードウェアアクセラレーション(AES-NI)が効いていない
- 10Gbpsを超える環境(40G/100G)の場合に、数十Gbpsなど10Gbpsを超える性能が出せない
- ジャンボフレーム(MTU ~9KB)が使えない環境でHpFPを使用している
- ディスクの書き込み性能の限界
- 暗号アルゴリズムに AES256/CBC が選択されている
ライセンスファイルが読み込めなかった場合、トライアルライセンスモードで動作します。
トライアルライセンスの場合、1Gbpsの帯域制限、多重接続なし、で動作します。
※性能低下低減の工夫は入っていますが、限界の可能性があります。
Intel Coreシリーズの第一世代など古い世代は効きません(第二世代あたりから搭載)。
(数百Mbps~500Mbps程度の転送性能になってしまう)
※AES-NIを認識できているかどうかは、下記のようにご確認ください。
$ hcp --config-test
...
AcceptableCryptMethod : AES256/CTR/VMAC AES256/CBC AES128/CBC [Intel:AES-NI=yes]
...
→暗号方式の設定情報の行末の方にyes/noで認識できているか、表記されます。
ブロックサイズを1MB未満にすると起きることがあります。
(デフォルトでは1MBにしてあるため、特に問題はないように初期設定しています。)
9KBだと接続あたり10Gbps~15Gbps出せるところが、1.5KBですと3Gbps程度に低下します。
HpFPについては、このほか
・コマンドの hpfp-sndbuf/hpfp-rcvbufオプション
※通常はRTTやロス率が非常に大きい(回線品質が悪い)環境で利用する想定のオプションです。
・OSオプション(ネットワークバッファ設定)
・CPUの省電力モードの影響
なども関係します。
USB外部接続しているディスクやネットワークサーバ(SMB/NFS/Lustre)の書き込み速度が遅くボトルネックになっていると性能に影響が出ます。
ディスクの書込ボトルネックなどの影響を排除した通信性能を測定する場合やディスクの性能自体を測定する場合は、hcpコマンドの -n オプションとddコマンドをそれぞれご利用ください。
例)1ファイル 10GB指定の場合
$ hcp -n 1:10737418240 10GB.dat user@192.168.30.100:10GB.dat
※-nオプションの詳しい使用方法は以下をご覧ください。
⇒hcp 性能測定 - ディスクI/O負荷を除いて性能を測定する
例)ファイルサイズが1024KB のファイル を1000ファイル書き込む場合
$ dd if=/dev/zero of=write_test.dat bs=1024k count=1000
1000+0 レコード入力
1000+0 レコード出力
1048576000 bytes (1.0 GB, 1000 MiB) copied, 0.823909 s, 1.3 GB/s
AES256/CBCの場合、AES-NIによるアクセラレーションはかかっていても、暗号処理性能単体ではCTRモードより悪くなります。